医療と保険
アメリカは先進国としては唯一、国民皆保険制度がひかれていない国です。そのため、医療費は基本的には全額自己負担をするか、個人もしくは勤務先を通じて民間の医療保険に加入し、保険でカバーすることになっています。
例外として、65歳以上の高齢者、身体障害者、慢性腎不全患者を対象としたメディケア、低所得者を対象としたメディケイドの2つの保険が連邦政府または州政府によって提供されています。
これらの州政府が提供する保険に加入するためには「条件」があり、誰でも入れる訳ではありません。詳細は下記をご参照ください。
メディケア
対象
・高齢者(65歳以上)
・身体障害者(年齢不問)
・慢性腎不全患者(透析または腎臓移植が必要、年齢不問)
受給資格
・アメリカ市民またはグリーンカード保持者
・アメリカ居住5年以上
メディケアは、高齢者(65歳以上)と身体障害者(年齢不問)、慢性腎不全患者(透析か腎臓移植を必要としている人、年齢不問)を対象とした医療保険で、連邦政府が管轄しています。メディケアを受給するには、メディケアタックスを10年以上納めていなければなりません。受給資格に達していない人は、メディケアパートAの加入費($234または$426/月。 メディケアタックスの支払い期間によります。2011年1月現在)を払うことで、メディケア のパートAに加入することが出来ます(パートB、パートDの 月額保険料が別途かかります)。
※メディケアは基本的にパートA、パートB、パートDの3つのパートに分かれています。
メディケイド
対象
・19歳〜16歳までの成人で低所得者
受給資格
・アメリカ市民またはグリーンカード保持者
メディケイドは一定収入以下の方のための医療保険で、連邦政府の援助を受け、州政府が管轄するプログラムです。
また、緊急時にはステータスに関わらずメディケイドを申請できるシステム「Emergency Medicaid*」を用意している州もあります(と呼ばれます)。詳しくはお住まいの州のウェブサイトをご参照下さい。
Emergency Medicaidは、誰もが必ず受けられるわけではありません。近年、Emergency Medicaidを当てにして手術や治療を受けたけれども、手術後、治療後にMedicaidがおりなかったため、多額の負債を抱えたケースが報告されています。ご注意ください。
メディケイドはもともと、母子家庭を救済する目的で作られましたが、現在では障害者や高齢者を中心に、年齢に関わりなく基準を満たした個人に支給されます。メディケイドは、メディケア(連邦政府が管轄する高齢者用医療保険)とは異なり、州ごとに若干規定が異なります(例:月の収入額など)。また、名称が異なる場合もあります(例:カリフォルニア州→Medical)。
メディケイドには様々な種類(ランク)があり、個々人の収入や疾病の種類、どういった治療が必要かによって、あてはまるメディケイドが異なります。例えば外来だけをカバーするメディケイド、入院だけをカバーするメディケイド、入院、外来すべてをカバーするメディケイドなどです。詳細は、それぞれの州にお問い合わせください。
民間の医療保険
アメリカの場合、低所得者、身体障害者などや65歳以上の高齢者を除き、公的な医療保険は存在しません。そのため、個人は民間の医療保険に加入することになります。
加入の方法としては、勤務先を通じて医療保険に加入する方法と個人で加入する方法の2つに分かれます。勤務先を通じて加入する場合、保険会社やカバー率については、勤務先にお問い合わせ下さい。
個人で加入をされる方は、加入前に以下の点について確認してください。
| 1 | 会社の名前、連絡先、担当者 |
| 2 | 何をカバーするか(外来、検査、入院、看護、処方箋薬、 看護・介護機器、リハビリテーション、その他) |
| 3 | いくらまでカバーするか(例:処方箋薬は3000ドルまで、など) |
| 4 | どこの病院で使えるか |
| 5 | どこの州で使えるか |
| 6 | 海外(日本など)で使えるか |
| 7 | 料金(保険費とコペイ) |
一般的に、安い健康保険はカバー率が低いため、万が一大きな事故、病気をされたときの自己負担率が高くなります。
お断り:JAA高齢者問題協議会は、保険団体各社と契約はしておりません。トラブル等の対応は致しかねますこと、あらかじめご承知ください。医療保険に加入される場合は、プランの内容をよくご検討ください。
