高齢者のための防犯ガイドブックができました

ニューヨーク市警察(NYPD)防犯課が、防犯ガイドの小冊子を複数の言語で発行。日本語が無かったことから、ニューヨーク日系人会(JAA)で日本語版を制作、ウェブサイトで配布しています。高齢者向けに詐欺被害を防ぐための内容ですが、年齢・性別を問わず誰にでも参考になります。お役立てください。
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基本的な安全対策
・歩行中にひったくりに遭ったら、抵抗せずに手放すこと(命を優先)
・タクシーを利用したら、家(アパートビル)に入るまで見守ってもらえるよう運転手にお願いする
・家に近づいたら鍵を準備し、すぐに中に入れるようにする。
・買い物中や雑踏で誰かにぶつかられたら、スリかもしれないので要注意。
・歩行器や電動車椅子を利用する高齢者は、それらに反射テープを貼り、横断歩道を渡る時に車からよく見えるようにする。
・高齢者は外出時、身分証明書と主治医の連絡先、服用している薬のリストを携帯する。
万が一、被害に遭った場合や不審者を見かけた場合は、911に通報を。
各種詐欺と対策
①なりすまし押し込み詐欺
屋根職人や配管・電気工事の請負業者のふりをし、「近辺のパイプが壊れ、水道管をチェックする必要があります」と言って家に入り、被害者の気を逸らして貴重品を盗む。
対策:頼んでいない請負業者を家に入れない。ドアは開けず、覗き穴を通して写真付きIDの提示を求める。業者に電話をし、従業員かどうかを確認する。もうすぐ家族が帰るとか来客があると伝え、違和感があれば911に通報する。
②銀行支店での詐欺
「お金が入った袋を拾った。山分けしよう」と近づき、担保が必要なので銀行から多額のお金を引き出すよう指示してくる。
対策:銀行の窓口や警備員に知らせ、911に通報してもらう。
③電気・電話・ケーブル会社の電話詐欺
「支払い期限が過ぎているのでサービスを止める」と言われる。
対策:電話を切る。こうした業者が電話でサービスを停止することはない。
④IRSの電話詐欺
「納税が滞っている。この電話で支払わなければ財産を差し押さえるか、逮捕状が出る」と言われる。
対策:電話を切る。IRSの通知は常に書簡であることを覚えておく。会計士・税理士に報告する。
⑤医療電話詐欺
「あなたの家族が事故に遭い手術が必要。この電話で手術費を支払わなければ救急処置は行わない」と言われる。電話口の人は、あなたの家族の名前などを口にして信用させようとする。
対策:電話を切る。当該家族に電話をして安否確認を。
⑥人質電話詐欺
「家族を人質にした。身代金を払え」と電話がある。
対策:電話を切る。当該家族に電話をして安否確認を。
⑦法執行機関電話詐欺
警察などを装い「家族の誰かが逮捕され、保釈金を支払え」と電話がある。
対策:電話を切る。当該家族に電話をして安否確認を。
⑧移民局電話詐欺
米国移民局員を装い「あなたの移民ステータスが取り消され、この電話で支払いをしなければ国外追放または逮捕される」と言われる。
対策:電話を切り、米国移民局(866)347-2423に報告。
⑨宝くじ電話詐欺
宝くじやバケーションクルーズ当選との電話があり「それに掛かる税金と手数料支払え」と言われる。
対策:電話を切る。何も当選していない!
以上の電話詐欺は、パターンとして電話での支払いのために、一定の「ギフトカード」を買いに行けと指示してくるので、絶対に従わないこと。
さらに、近年は電気代などの請求もEメールで届き、クレジットカードでの自動支払いが主流だが、高齢者はまだ郵便での小切手投函で支払うケースが多い。その場合、郵便盗難を防ぐために、NYPDは以下を奨励している。
できるだけ郵便の回収時間に合わせて投函する。
休日や週末に路上のポストに投函しない。
可能なら郵便物を直接郵便配達員に手渡すか、郵便局に持参する。
小切手の改ざんを防ぐために、油性インクのペンで書く。
こまめに口座残高をチェックする。
その他の安全対策
地下鉄とバスでの安全対策
・地下鉄ではなるべくホームの中央で電車を待つ。
・電車の中では、ひったくりを避けるため、ドアから遠い席に座る。
・オフピークの時間帯は、ホームの「オフアワー・ウエイティングエリア」と書かれた場所で電車を待ち、車掌が乗っている中央の車両に乗る。
・指輪などのジュエリー類は隠す。
・バス停では車道から離れて待つ。
・バスはなるべく運転手に近い前方の席に座る。
・地下鉄でもバスでも、周囲に注意する。居眠り厳禁。
路上での安全対策
・スマホはひったくりの対象。注意を。
・ヘッドフォンをつけて歩かない。
・ズボンのお尻のポケットに財布を入れない。
・タクシーを降りる時は歩道側から。
ATMでの安全対策
・銀行内のATMエリアでは、入り口付近に不審者がいないか注意する。
・明るく、人が多いATMを利用する。
・路上に置かれたATMは利用しない。
・ATMを利用中に近くに人がいたら、キーボードの手元を隠し見られないようにする。
・銀行内のATMには必ず後方確認のための鏡が設置されているので、よく見て確認する。
・週末や夜、銀行のATMの入口は施錠されている。開けるにはATMカードを機械にかざすが、必ず自分だけが入ること。近くにいる人が一緒に入ろうとしても入れてはいけない。
・現金を引き出したら、財布に入れてからATMから離れる。
自宅での安全対策
・鍵を取り付ける際、必ずライセンスを持ったロックスミスに依頼し、適切な鍵を設置してもらうこと。
・ドアの内と外の両方から鍵をかけることができる“double-cylinder lock”は設置しないこと。火災の際に逃げられないことがある。
・不審な人と一緒にエレベーターに乗らない。
。・インターカムで来訪者を確認してからドアを開ける
